myurome’s diary from Italy

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ウフィツィ美術館でふと見逃してしまう作品 from フィレンツェ

皆さんこんにちは!フィレンツェより公認ガイドの福島です。

今回はなかなか時間がないと見逃してしまう作品をご紹介したいと思います。実は私がこの美術館で一番好きなのがこの作品です。もし美術館の中から一番好きな作品をもっていっていい~~なんてことがあったら、迷わずこれをもらいたいと思います!{なんてことはありませんが}。ビーナスの誕生をもらっても大きすぎて飾るところがないし、、。この絵はちょうど自宅の壁に飾るのにちょうど良いサイズでもあります。

描いたのはロッソフィオレンティーノ{Rosso Fiorentino}で題名はリュートを弾く天使。

彼の名前は髪の毛の色から来ていて、何でも赤毛で{赤はロッソ}とっても美男子だったそうで、大変魅力的で、とっても洗練されて音楽にも関心があったとされていて、ようするに今で言うと大変イケメンだったようです。

この時代美術はマニエリスムと言われ、ミケランジェロ、レオナルドダヴィンチ、ラファエロが亡くなると彼らを超える芸術家が出なくなり、それを模倣して作り直し、その時代に合わせていきます。人物が細長く描かれたり、周りの空間もあまり重要ではなくなり、色も強烈な色が使われたり、古典主義を革新していきます。

ただこれを見るとあまりその特徴がないんですが、何故ならこの絵はもともと大きな絵の一部だったかららしいんです。マリアとキリストが王座に座り、背景の暗い所には階段のデッサンがあって、天使はそこに座っていただろうと思われています。天使が楽器を弾こうとしているのがとても可愛らしいですね。楽器の木の質感は温もりを感じさせます。翼、鼻、頬っぺたが赤くて、それが他の冷たい色と反しています。

天使は赤毛ですが、これは先ほど言ったように、ロッソ自身が赤毛だったからとも言われています。実際このような赤毛の人物は彼の他の作品にも出てきます。

本当にかわいらしい天使ですね!